最終更新日: 2026年10月15日

テンプレート説明

KUSANAGI Enterprise Editionは、GMOプライム・ストラテジー株式会社が開発した高速WordPress実行環境です。KUSANAGIの高速な実行環境に加えて、マルウェア対策・OS/ミドルウェアの自動アップデート・セキュリティ監査(Analyzer)などのセキュリティ運用機能を利用できます。仮想マシンはKUSANAGI Portalに登録して管理し、セットアップと運用はSSH経由のCUIコマンドで行います。

仕様

インストールOS

項目 説明
OS AlmaLinux OS 9

主要ソフトウェア

ソフトウェア バージョン
KUSANAGI 10.7.0-1.el9
nginx 1.31.6(デフォルト)
PHP 8.3.35(デフォルト)
MariaDB 10.11.18(デフォルト)

nginx、PHP、データベースは、kusanagi init で選択できます。上記は、オプションを指定しない場合に導入されるバージョンです。

motd

項目 説明
インストールディレクトリ /opt/kusanagi/
Webコンテンツディレクトリ /home/kusanagi/

その他

項目 説明
最小メモリ 2GB(推奨: 4GB以上)
利用ポート 22 (SSH)、80 (HTTP)、443 (HTTPS)

利用手順

事前に用意するもの

  • KUSANAGI Enterprise Editionの仮想マシンのグローバルIPアドレス、SSH接続に使う秘密鍵またはパスワード
  • WordPressで使用するFQDNと、WordPress管理者が受信できるメールアドレス
  • KUSANAGI IDで使用するメールアドレスと認証アプリ

Step 1: セキュリティグループの設定

ConoHaコントロールパネルにて、以下のポートを開放したセキュリティグループを作成し、VPSに適用してください。

ポート番号 プロトコル 用途
22 TCP SSH接続
80 TCP HTTP
443 TCP HTTPS(SSL/TLS)

Step 2: SSHでサーバーに接続

rootユーザーでサーバーにSSH接続します。

鍵認証でのSSH接続コマンド例
# ssh -i 秘密鍵ファイルのパス root@VPSのグローバルIPアドレス

Step 3: OSのアップデートと再起動

まずOSおよびKUSANAGIシステムを最新の状態に更新します。

# dnf upgrade -y

アップデート完了後、サーバーを再起動します。

# reboot

再起動後、再度SSHで接続してください。

Step 4: KUSANAGIの初期設定

KUSANAGIの各コマンドはkusanagiユーザーで実行します。rootで接続した状態から、kusanagiユーザーに切り替えます。

# su - kusanagi

以下のコマンドでKUSANAGIの初期設定を行います。パスワードはシングルクォートで囲んで指定してください。

このドキュメントでは、Webサーバに NGINX 1.31、PHPに PHP 8.3、データベースに MariaDB 10.11 を使用する例を示します。

$ kusanagi init --passwd 'パスワード' --nophrase --dbrootpass 'パスワード' --basicauthuser ユーザー名 --basicauthpass 'パスワード' --nginx131 --php83 --mariadb10.11

メモ

オプション 説明
–passwd kusanagiユーザーのパスワード。大文字・小文字・数字・記号(! # $ % & ( ) * + - , . / : ; < = > ? @ [ ] ^ _ { | } ~)の組み合わせで8文字以上
–nophrase kusanagiユーザーのSSHユーザ鍵のパスフレーズを空文字列に設定する。パスフレーズを設定する場合は --phrase フレーズ を指定してください
–dbrootpass MariaDB rootパスワード。大文字・小文字・数字・記号(. ! # % + _ -)のみ使用可能で8文字以上
–basicauthuser Basic認証のユーザー名。英字・数字・.・_・-・@ の組み合わせで3文字以上16文字以内(省略時は kusanagi)
–basicauthpass Basic認証のパスワード。大文字・小文字・数字・記号(. ! # % + _ -)の組み合わせで8文字以上(省略時は –passwd と同じ値)
–nginx131 / –nginx130 / –nginx129 / –nginx128 / –httpd24 起動するWebサーバを指定します。デフォルトは --nginx131(NGINX 1.31)。利用可能なオプションはinitコマンドリファレンスを参照してください
–php85 / –php84 / –php83 / –php82 使用するPHPを指定します。デフォルトは --php83(PHP 8.3)。利用可能なオプションはinitコマンドリファレンスを参照してください
–mariadb10.11 / –mariadb10.6 / –mariadb11.4 / –mariadb11.8 / –mariadb12.3 / –psql14〜18 起動するデータベースサーバを指定します。デフォルトは --mariadb10.11(MariaDB 10.11)。利用可能なオプションはinitコマンドリファレンスを参照してください

「init completed.」と表示されれば初期設定は完了です。

Step 5: WordPressのプロビジョニング

以下のコマンドでWordPress環境を構築します。

$ kusanagi provision --wp --fqdn ドメイン名 --email メールアドレス --adminemail 管理者メールアドレス --adminuser 管理者ユーザー名 --adminpass '管理者パスワード' プロファイル名
オプション 説明
–wp WordPressをプロビジョニングする
–fqdn WordPressサイトで使用するドメイン名(例:example.com)。SSL証明書を取得する場合は、事前に名前解決できる必要があります
–email Let’s EncryptのSSL証明書取得に使用するメールアドレス。SSL証明書が不要な場合や、ローカルでのみ使用する検証用のドメイン名の場合は –noemail を指定
–adminemail WordPress管理者のメールアドレス
–adminuser WordPress管理者のユーザー名
–adminpass WordPress管理者のパスワード
プロファイル名 任意のプロファイル名(例:kusanagi_html)。プロファイルの名前としてWebコンテンツのディレクトリ名に使用される

メモ

「provision completed.」と表示されればプロビジョニングは完了です。

プロビジョニング時に表示されるパスワードは、必ず控えて安全な場所に保管してください。

プロビジョニング後、WordPressのトップページと管理画面(https://ドメイン名/wp-admin/)が表示できることを確認してください。管理画面ではBasic認証を求められる場合があります。

Step 6: KUSANAGI Portalへの登録

KUSANAGI Portalは、KUSANAGI Enterprise Editionの仮想マシンを登録して管理し、セキュリティ監査・自動アップデート・マルウェア検知の結果をメールで受け取るためのサービスです。以下の手順で仮想マシンを登録します。

1. KUSANAGI IDの作成

https://portal.kusanagi.tokyo/ にアクセスし、KUSANAGI IDを登録します。既にKUSANAGI IDをお持ちの場合は、そのIDでログインしてください。新規登録ではメールアドレスの確認、組織情報の入力、認証アプリの設定を行います。詳しい画面操作はKUSANAGI Portalクイックスタートを参照してください。

2. VM登録用トークンの発行

ログイン後、「トークン発行」で仮想マシンを起動したクラウドプラットフォーム(ConoHa VPS)を選択し、VM登録用トークンを発行します。

メモ

トークンは発行時にコピーして安全な場所に保存してください。画面を離れた後は値を再取得できません。同じプラットフォームの複数の仮想マシンには、同じトークンを使用できます。

3. 仮想マシンの登録

kusanagiユーザーで以下のコマンドを実行し、仮想マシンをKUSANAGI Portalに登録します。メールアドレスにはKUSANAGI IDのメールアドレス、トークンには発行したVM登録用トークンを指定してください。

$ kusanagi register --account "メールアドレス" --token "トークン"

メモ

「register completed.」と表示されれば登録完了です。KUSANAGI Portalの「ホスト」で、登録した仮想マシンが表示されることを確認してください。登録時には、既定のホストグループ、メールグループ、およびそのマッピングが作成されます。

登録できない場合は、--accountに指定したメールアドレスがKUSANAGI IDのメールアドレスと一致していること、トークンを発行したクラウドプラットフォームが仮想マシンのプラットフォームと一致していることを確認してください。

Step 7: セキュリティ運用の設定

以下の3つのセキュリティ機能は、必要に応じて設定します。実行時刻はサイトの負荷が低い時間帯を選択してください。各機能の役割はKUSANAGI Enterprise Editionの機能と仕組みを参照してください。

1. マルウェア・ウイルス検索の設定

1日1回マルウェア・ウイルス検索を行う時刻を設定します。以下は0時07分に実行する例です。

$ kusanagi antivirus on --daily 00:07

設定後、状態と実行時刻を確認します。

$ kusanagi antivirus status

メモ

検索にはファイル数に応じた時間がかかり、実行中はIO負荷が増加します。運用前に所要時間を確認し、Webサイトの負荷が高まる時間帯は避けてください。

2. OS/ミドルウェアの自動アップデートの設定

1日1回OS/ミドルウェアの自動アップデートを行う時刻を設定します。以下は午前2時07分に実行する例です。

$ kusanagi autoupdate on --daily 02:07

設定後、状態と実行時刻を確認します。

$ kusanagi autoupdate status

メモ

自動アップデートの内容によってはWebサーバーやPHPが再起動されます。運用時間、バックアップ、監視への影響を確認してから時刻を決めてください。

3. Analyzerの自動実行の設定

1日1回セキュリティ監査(Analyzer)を行う時刻を設定します。マルウェア・ウイルス検索や自動アップデートも有効にする場合は、それらの処理が完了した後の時刻を設定してください。以下は午前4時07分に実行する例です。

$ analyzer on --daily 04:07

設定後、状態と実行時刻を確認します。

$ analyzer status

Step 8: レポートの送信先を確認

KUSANAGI Portalの「ホスト」「メールアドレス」「メールグループ」「マッピング」で、登録した仮想マシンと送信先の関係を確認します。初回登録時には、既定のメールグループにKUSANAGI IDのメールアドレスが設定されます。別の担当者に届ける場合は、送信先とマッピングを運用体制に合わせて変更してください。

メールを受信できるかは、KUSANAGI Portalの「メールテスト」で確認できます。Analyzerの結果を受け取るには、仮想マシンでAnalyzerの自動実行を有効にしてください。

Step 9: サポートを利用する場合

技術サポートへ問い合わせる際は、対象の仮想マシンで診断アーカイブを作成し、サポートチケットに添付します。出力先はアクセスを制限できる場所を指定してください。

$ kusanagi support --output-archive /home/kusanagi/kusanagi-support.tar.gz

メモ

「support completed.」と表示されたら、診断アーカイブを安全な方法で手元に取得し、サポートサイトの「技術サポートの依頼」に添付してください。診断アーカイブには環境情報が含まれるため、公開URLには置かないでください。

リンク URL 説明
KUSANAGI Portal https://portal.kusanagi.tokyo/ 仮想マシンの登録・管理、レポート送信先の設定
KUSANAGI Portal クイックスタート https://portal.kusanagi.tokyo/manual/quick-start/ KUSANAGI IDの登録と初期設定の手順
KUSANAGI クイックスタート https://kusanagi.tokyo/document/kusanagi-quickstart/ KUSANAGIの初期設定・WordPressプロビジョニング手順
KUSANAGI Enterprise Editionの機能と仕組み https://kusanagi.tokyo/document/enterprise-edition-features/ セキュリティ運用機能の役割
PHP SafeUpgrade クイックスタート https://kusanagi.tokyo/document/safeupgrade-quickstart/ PHPのバージョン更新手順
Nginx SafeUpgrade クイックスタート https://kusanagi.tokyo/document/nginx-safeupgrade-quickstart/ nginxのバージョン更新手順
KUSANAGI 専用プラグインの設定 https://kusanagi.tokyo/document/kusanagi-plugin/kusanagi-plugin-settings/ WordPress専用プラグインの設定方法
KUSANAGI AI Assist プラグインの設定と使い方 https://kusanagi.tokyo/document/kusanagi-plugin/kusanagi-ai-assist-plugin-manual/ AIアシストプラグインの設定と使い方
WindowsでKUSANAGIにsshでログイン https://kusanagi.tokyo/document/windows-ssh/ WindowsからのSSH接続方法
KUSANAGI コマンドリスト https://kusanagi.tokyo/document/command-list/ KUSANAGIコマンド全般のリファレンス
KUSANAGI 公式ドキュメント https://kusanagi.tokyo/document/ KUSANAGI全般のドキュメント
KUSANAGI 公式サイト https://kusanagi.tokyo/ GMOプライム・ストラテジー株式会社によるKUSANAGI公式サイト