最終更新日: 2025年12月17日

テンプレート説明

Prometheus-Grafanaアプリケーションイメージは、監視システムのPrometheusとデータ可視化ツールのGrafanaがインストール済みのテンプレートです。

Prometheusは、時系列データベースを備えたオープンソースの監視・アラートツールキットで、メトリクスの収集、保存、クエリ実行が可能です。Grafanaは、Prometheusなどのデータソースから取得したメトリクスを視覚的に表示するためのダッシュボードツールです。

このテンプレートでは、Prometheus自身のメトリクスを監視する基本的な設定が構成されており、すぐに監視システムの構築を開始できます。

仕様

インストールOS

OS バージョン
Ubuntu 24.04

主要ソフトウェア

ソフトウェア バージョン ポート番号
Prometheus 3.7.2 9090/tcp
Grafana 12.3.0 3000/tcp

motd

motdには、PrometheusとGrafanaのアクセス情報、ユーザー名、初期パスワード、インストールディレクトリが記載されています。

項目 説明
Prometheus WEB URL PrometheusのWeb UIにアクセスするためのURL
Prometheus WEB Username Prometheus Web UIのログインユーザー名
Prometheus WEB Password Prometheus Web UIのログインパスワード(ランダム生成)
Prometheus Directory Prometheusのインストールディレクトリ(/opt/prometheus)
Grafana URL GrafanaのWeb UIにアクセスするためのURL
Grafana Admin Username Grafana管理者ユーザー名(admin)
Grafana Admin Password Grafana管理者パスワード(ランダム生成)

その他

項目 説明
推奨メモリ 最小1GB、推奨2GB以上
ファイアウォール SSH(22/tcp)、Prometheus(9090/tcp)、Grafana(3000/tcp)が許可済み
サービス起動状態 PrometheusとGrafanaは自動起動
Prometheusデータディレクトリ /opt/prometheus/data
Prometheus設定ファイル /opt/prometheus/prometheus.yml
Grafana設定ファイル /etc/grafana/grafana.ini
Grafanaデータディレクトリ /var/lib/grafana

利用手順

Step 0: セキュリティグループについて

ConoHa VPS(Ver.3.0)ではサーバー毎にIPアドレスまたはポートでトラフィックを制御するセキュリティグループ(仮想ファイアウォール)が設定されます。

本テンプレートをご利用の場合は、予め利用するポートの通信許可設定が必要です。

詳細はセキュリティグループを参照してください。

必要なポート設定

以下のポートを開放してください:

  • ポート 22 (tcp)
  • ポート 9090 (tcp)
  • ポート 3000 (tcp)

Step 1: VPSへのSSH接続

ConoHa VPSへSSHで接続します。接続方法は、パスワード認証または鍵認証が利用できます。

鍵認証でのSSH接続コマンド例
# ssh -i 秘密鍵ファイルのパス root@VPSのグローバルIPアドレス

Step 2: 初期認証情報の確認

SSH接続すると、motdにPrometheusとGrafanaの初期認証情報が表示されます。以下の情報を確認してください:

  • Prometheus Web UIのURL、ユーザー名、パスワード
  • Grafana Web UIのURL、管理者ユーザー名、パスワード

メモ

パスワードは、VPS初回起動時にランダムで生成されます。motdメッセージを削除する場合は、事前に認証情報を控えておいてください。

Step 3: Prometheus Web UIへのアクセス

Webブラウザから、motdに記載されたPrometheus Web UIのURLにアクセスします。

http://VPSのグローバルIPアドレス:9090/

Basic認証が求められるので、motdに記載されたユーザー名とパスワードを入力してログインします。

Step 4: Grafana Web UIへのアクセスとログイン

Webブラウザから、motdに記載されたGrafana Web UIのURLにアクセスします。

http://VPSのグローバルIPアドレス:3000/

ログイン画面が表示されるので、以下の情報でログインします:

  • Username: admin
  • Password: motdに記載されたパスワード

Step 5: パスワードの変更(推奨)

セキュリティ向上のため、初期パスワードの変更を推奨します。

Prometheusのパスワード変更

Prometheusのパスワードは、設定ファイルを編集して変更します。

# nano /opt/prometheus/prometheus.yml

scrape_configs セクションの basic_auth の password 部分を変更し、Prometheusを再起動します。

# systemctl restart prometheus

Grafanaのパスワード変更

Grafana Web UIにログイン後、以下の手順でパスワードを変更できます:

  1. 画面左下のユーザーアイコンをクリック
  2. 「Profile」を選択
  3. 「Change password」セクションでパスワードを変更

Step 6: GrafanaへのPrometheusデータソース追加

GrafanaでPrometheusのメトリクスを表示するには、データソースを追加する必要があります。

  1. Grafana Web UIにログイン
  2. 画面左側のメニューから「Connections」→「Data sources」を選択
  3. 「Add data source」ボタンをクリック
  4. 「Prometheus」を選択
  5. 以下の設定を入力:
    • Name: Prometheus(任意の名前)
    • URL: http://localhost:9090
    • Auth: 「Basic auth」を有効化
    • Basic Auth Details:
      • User: prometheus
      • Password: motdに記載されたPrometheusのパスワード
  6. 「Save & test」ボタンをクリックして接続を確認

メモ

Step 5でPrometheusのパスワードを変更した場合は、変更後のパスワードを使用してください。

Step 7: ダッシュボードの作成

データソース追加後、Grafanaでダッシュボードを作成してPrometheusのメトリクスを可視化できます。

  1. 画面左側のメニューから「Dashboards」を選択
  2. 「New」→「New Dashboard」をクリック
  3. 「Add visualization」をクリック
  4. 追加したPrometheusデータソースを選択
  5. クエリエディタでPrometheusのメトリクスを選択・入力
  6. グラフの種類やオプションを設定
  7. 「Save dashboard」>「Save」をクリックしてパネルを保存

メモ

Grafana公式サイトでは、多数のダッシュボードテンプレートが公開されています。既存のダッシュボードをインポートして、カスタマイズすることも可能です。

Step 8: 監視対象の追加(任意)

Prometheus設定ファイルを編集して、他のサーバーやサービスを監視対象に追加できます。

# nano /opt/prometheus/prometheus.yml

scrape_configs セクションに新しいジョブを追加し、Prometheusを再起動します。

# systemctl restart prometheus

アプリケーションの具体的な利用方法につきましては、サービス開発元やサービス提供元の公式サイト、ドキュメントなどで最新情報をご確認ください。

リンク URL
Prometheus公式サイト https://prometheus.io/
Prometheusドキュメント https://prometheus.io/docs/introduction/overview/
Prometheus GitHubリポジトリ https://github.com/prometheus/prometheus
Grafana公式サイト https://grafana.com/
Grafanaドキュメント https://grafana.com/docs/grafana/latest/
Grafana GitHubリポジトリ https://github.com/grafana/grafana