最終更新日: 2025年12月23日
テンプレート説明
BackupPC(Version Latest)は、Linux、Unix、Windows、MacOSXのPC・サーバーをディスクにバックアップする高性能なエンタープライズグレードのバックアップシステムです。重複排除とプーリング機能により、ディスク容量を効率的に使用しながら、複数世代のバックアップを保持できます。
本テンプレートは、ConoHa VPS上にBackupPCサーバーを自動構築し、Nginx + FastCGI構成によるWebインターフェースを提供します。バックアップ対象ホストへの接続にはrsync over SSH、tar over SSH、またはSMBプロトコルを使用できます。
スタートアップスクリプトのテンプレートを利用してサーバー作成を行う手順はご利用ガイドを参照してください。
重要
インストール完了後、BackupPCサービスは停止状態です。管理スクリプトを使用してサービスを起動し、初期設定を行ってください。
仕様
対応OSイメージ
Ubuntu 24.04 LTS
主要ソフトウェア
| ソフトウェア名 | バージョン | ライセンス | 用途 |
|---|---|---|---|
| BackupPC | Latest | GPL-3.0 | バックアップシステム本体 |
| Nginx | Latest | BSD-2-Clause | Webサーバー |
| fcgiwrap | Latest | MIT | FastCGIラッパー |
| rsync | Latest | GPL-3.0 | ファイル同期・転送 |
| tar | Latest | GPL-3.0 | アーカイブツール |
| par2 | Latest | GPL-2.0-or-later | パリティファイル作成・検証 |
| Let’s Encrypt(Certbot) | Latest | MPL-2.0 | SSL/TLS証明書自動取得 |
スタートアップスクリプト情報
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| アプリケーション利用ポート | 80/tcp (HTTP), 443/tcp (HTTPS) |
| インストールディレクトリ | /var/lib/backuppc(バックアップデータ保存先) |
| 設定ファイル | /etc/backuppc/ |
| 管理スクリプト | /root/backuppc-*.sh |
| 初期状態 | サービス停止中 |
その他
最小システム要件
- CPU: 1コア以上(並行バックアップ数に応じて増強推奨)
- メモリ: 最小1GB、推奨2GB以上
- ディスク容量: 20GB以上(バックアップデータ用に追加容量が必要)
- ネットワーク: パブリックIPアドレス
メモ
BackupPCは並行バックアップ数に応じてリソースを消費します。4-8台の同時バックアップを実行する場合は、CPU 2コア以上、メモリ4GB以上を推奨します。
利用手順
メモ
スタートアップスクリプトにてアプリケーションのインストールが完了するまで数分かかります。
インストール完了後、rootディレクトリに「backuppc-info.txt」というファイルが作成されますのでご確認ください。
ファイルが存在しない場合、作成されるまでしばらくお待ちください。
スタートアップスクリプトの実行状況は、SSH接続後に以下のコマンドで確認できます:
# tail -f /var/log/backuppc-setup.log
重要
テンプレート作成直後は、BackupPCサービスが停止状態です。以下の手順に従ってサービスを起動し、初期設定を行ってください。
Step 0: セキュリティグループについて
ConoHa VPS(Ver.3.0)ではサーバー毎にIPアドレスまたはポートでトラフィックを制御するセキュリティグループ(仮想ファイアウォール)が設定されます。
本テンプレートをご利用の場合は、予め利用するポートの通信許可設定が必要です。
詳細はセキュリティグループを参照してください。
Step 1: VPSへの接続
SSHクライアントを使用してVPSに接続します。
# ssh root@[VPSのIPアドレス]
Step 2: インストール情報の確認
インストール完了後、以下のファイルで設定情報を確認できます。
# cat /root/backuppc-info.txt
このファイルには以下の情報が含まれています:
- アクセスURL
- 管理者パスワード
- 管理スクリプトの使用方法
- 設定ファイルの場所
Step 3: サービスの起動
BackupPCサービスを起動します。
# /root/backuppc-manage.sh start
メモ
サービス起動後、Webインターフェースへのアクセスが可能になります。初回アクセス時はブラウザに自己署名証明書の警告が表示されますが、これは正常な動作です。
Step 4: Webインターフェースへのアクセス
ブラウザで以下のURLにアクセスします。
https://サーバーのIPアドレスまたはドメイン
ログイン情報:
- ユーザー名:
backuppc - パスワード:
/root/backuppc-password.txtに記載
# cat /root/backuppc-password.txt
Step 5: セキュリティグループの設定
ConoHaコントロールパネルで以下のポートを開放してください。
| ポート番号 | プロトコル | 用途 | 必須/オプション |
|---|---|---|---|
| 22 | TCP | SSH管理アクセス | 任意 |
| 80 | TCP | HTTP(HTTPS自動リダイレクト) | 必須 |
| 443 | TCP | HTTPS(Webインターフェース) | 必須 |
Step 6: HTTPS設定(Let’s Encrypt証明書の取得)
本番環境では、Let’s Encrypt証明書の使用を推奨します。
前提条件:
- ドメイン名がVPSのIPアドレスに正しくDNS解決されること
- ポート80/443が開放されていること
証明書取得コマンド:
下記コマンドの「[email protected]」は自身のメールアドレスに置き換えてください。
# /root/backuppc-letsencrypt.sh -e [email protected]
オプション:
-e, --email: Let’s Encrypt通知用メールアドレス(必須)-d, --domain: ドメイン名(省略時はホスト名を使用)
重要
Let’s Encrypt証明書は90日間有効です。Certbotが自動更新を設定しますが、定期的に証明書の有効期限を確認することを推奨します。
Step 7: ドメイン変更(オプション)
カスタムドメインを使用する場合、以下のスクリプトでドメインを変更できます。下記コマンドの「your-domain.com」は自身の独自ドメインに置き換えてください。
# /root/backuppc-change-domain.sh -d your-domain.com
このスクリプトは以下を実行します:
- ホスト名の変更
- SSL証明書の再生成
- Nginx設定の更新
- サービスの再起動
Step 8: システム診断
システム全体の状態を確認します。
# /root/backuppc-diagnose.sh
診断内容:
- BackupPCのバージョンとサービス状態
- fcgiwrapの動作状態
- Nginxの設定テスト結果
- SSL証明書の有効期限
- ファイアウォール設定
- ポートのLISTEN状態
- ディスク使用状況
管理スクリプト一覧
| スクリプト名 | 機能 | 使用例 |
|---|---|---|
| backuppc-manage.sh | サービスの起動・停止・再起動・状態確認 | # /root/backuppc-manage.sh start |
| backuppc-letsencrypt.sh | Let’s Encrypt証明書の自動取得と設定 | # /root/backuppc-letsencrypt.sh -e [email protected] |
| backuppc-change-domain.sh | ドメイン名の変更とSSL証明書再生成 | # /root/backuppc-change-domain.sh -d new.example.com |
| backuppc-diagnose.sh | システム全体の診断とログ確認 | # /root/backuppc-diagnose.sh |
バックアップホストの追加
BackupPC Webインターフェースから、またはコマンドラインで設定を行います。
1. hostsファイルの編集:
# sudo -u backuppc vi /etc/backuppc/hosts
形式:
host dhcp user moreUsers
server1 0 root
laptop1 1 user1
2. ホスト別設定の作成:
# sudo -u backuppc vi /etc/backuppc/pc/server1.pl
rsync over SSH使用例:
$Conf{XferMethod} = 'rsync';
$Conf{RsyncShareName} = ['/home', '/etc'];
$Conf{RsyncClientPath} = '/usr/bin/rsync';
$Conf{RsyncSshArgs} = ['-e', '$sshPath -l root'];
3. SSH鍵の設定:
# sudo -u backuppc ssh-keygen -t rsa -b 4096
# sudo -u backuppc ssh-copy-id root@backup-target-host
4. 設定の反映:
# systemctl reload backuppc
メモ
バックアップ対象ホストへの接続方式(rsync、tar、SMB)は、各ホストの環境に応じて選択してください。Linux/UNIXホストにはrsync over SSHを推奨します。
アプリケーションの具体的な利用方法につきましては、サービス開発元やサービス提供元の公式サイト、Wikiなどで最新情報をご確認ください。
外部リンク
| サイト名 | URL | 説明 |
|---|---|---|
| BackupPC公式サイト | https://backuppc.github.io/backuppc/ | プロジェクト情報・最新ニュース |
| BackupPC公式ドキュメント | https://backuppc.github.io/backuppc/BackupPC.html | 技術ドキュメント・設定ガイド |
| BackupPCのGitHubリポジトリ | https://github.com/backuppc/backuppc | ソースコード・イシュートラッカー |
| BackupPC Wiki | https://github.com/backuppc/backuppc/wiki | コミュニティドキュメント・Tips集 |