最終更新日: 2025年12月23日

テンプレート説明

Coolify(最新版)は、オープンソースのセルフホスティング可能なPaaS(Platform as a Service)プラットフォームです。Vercel、Heroku、Netlifyの代替として、静的サイト、データベース、フルスタックアプリケーション、280種以上のワンクリックサービスを自分のサーバーに簡単にデプロイできます。Git統合、自動SSL証明書管理、Docker Composeベースのアプリケーション管理を通じて、開発者が複雑なインフラ管理なしに自身のハードウェア上でアプリケーションを運用できる環境を提供します。

本テンプレートは、Traefik v3リバースプロキシとLet’s Encrypt証明書の自動管理により、インストール完了後すぐにHTTPSでアクセス可能な状態でCoolifyを起動します。

スタートアップスクリプトのテンプレートを利用してサーバー作成を行う手順はご利用ガイドを参照してください。

重要

Coolifyは初回アクセス時に管理者アカウントの作成が必要です。インストール後は直ちに管理者アカウントを作成してください。

仕様

対応OSイメージ

Ubuntu 24.04 LTS

主要ソフトウェア

ソフトウェア名 バージョン ライセンス 用途
Coolify latest Apache 2.0 セルフホスティングPaaSプラットフォーム
Docker 24+ Apache 2.0 コンテナランタイム
Docker Compose latest Apache 2.0 マルチコンテナ管理
Traefik v3.6 MIT リバースプロキシ・ロードバランサー
PostgreSQL 16 PostgreSQL License メインデータベース
Redis latest BSD-3-Clause / RSALv2 + SSPLv1 キャッシュ・セッション管理

スタートアップスクリプト情報

項目 説明
アプリケーション利用ポート 8000/tcp (HTTP初期アクセス), 80/tcp (HTTP), 443/tcp (HTTPS)
追加ポート 6001/tcp (Realtime), 6002/tcp (Web Terminal)
インストールディレクトリ /data/coolify
プロキシ設定 /data/coolify/proxy
管理スクリプト /root/coolify-*.sh
初期状態 サービス起動済み(即座にアクセス可能)

その他

最小システム要件

  • CPU: 2コア以上
  • メモリ: 最小2GB、推奨4GB以上
  • ディスク容量: 30GB以上
  • ネットワーク: パブリックIPアドレス

メモ

複数のアプリケーションをデプロイする場合は、より高いスペックのサーバーを推奨します。ビルドとCoolifyを同じサーバーで実行する場合、リソース使用量が高くなる可能性があるため、スワップ領域の有効化やサーバーアップグレードを検討してください。

利用手順

Step 1: VPSへの接続

ConoHa VPSコンソールからSSH接続情報を確認し、ターミナルからサーバーに接続します。

# ssh root@

メモ

準備完了後、/root/coolify-info.txtに次のステップが記載されます。ログは/var/log/coolify-setup.logで確認できます。

Step 2: Coolifyのインストールと起動

管理スクリプトを使用してCoolifyをインストールおよび起動します。初回実行時のみ対話形式でドメインとバージョンを入力します。

# /root/coolify-manage.sh start

以下の情報を入力します:

  • Domain: サーバーのドメイン名またはIPアドレス(自動検出された値がデフォルトで提示されます)
  • Version: Coolifyのバージョン(空欄でEnterを押すと最新安定版がインストールされます)

インストールプロセスでは以下が自動的に実行されます:

  • 公式インストーラによるCoolify本体のインストール
  • Docker、Docker Composeの設定
  • Traefik v3プロキシの自動デプロイと起動
  • Let’s Encrypt SSL証明書の自動取得設定
  • UFWファイアウォールの設定(ポート 22, 80, 443, 8000, 6001, 6002を開放)

重要

インストール完了後、Coolifyは即座にアクセス可能な状態で起動します。インストール完了のメッセージが表示されたら、直ちにStep 4に進んで管理者アカウントを作成してください。

Step 3: 管理者アカウントの作成(必須)

ブラウザから以下のURLにアクセスして、管理者アカウントを作成します:

http://<サーバーのIPアドレスまたはドメイン>:8000

初回アクセス時、登録ページが表示されます。以下の情報を入力して管理者アカウントを作成してください:

  • 名前(表示名)
  • メールアドレス
  • パスワード(強力なパスワードを設定)

セキュリティ重要

インストール完了後、他のユーザーより先に管理者アカウントを作成する必要があります。誰かが先に登録ページにアクセスすると、その人がサーバーの完全な制御権を取得する可能性があります。インストール後は直ちにアカウントを作成してください。

登録後、オンボーディング画面が表示されます。初めて使用する場合は「Get Started」をクリックしてガイドに従うか、「Skip Onboarding」で直接ダッシュボードに進むことができます。

Step 4: ドメイン設定とHTTPS化(推奨)

セキュアなアクセスのため、Coolifyにカスタムドメインを設定することを強く推奨します。

4-1. DNSレコードの設定

ドメインのDNS設定で、AレコードをサーバーのIPアドレスに向けます。

4-2. Coolifyダッシュボードでのドメイン設定

  1. Coolifyダッシュボードにログイン
  2. 左メニューから「Settings」→「General」を選択
  3. 「Domain」フィールドに公開するFQDNを入力(例: https://coolify.example.com
  4. 必ずhttps://から始めてください
  5. 設定を保存

Traefikが自動的にLet’s Encrypt証明書を取得します(初回発行には1から2分かかる場合があります)。

4-3. ファイアウォールの設定

HTTPS設定後、セキュリティ向上のため、ポート8000へのアクセスを制限することを推奨します。ConoHa VPSコンソールでセキュリティグループを以下のように設定してください:

ポート番号 プロトコル 用途 必須/オプション
22 TCP SSH 任意
80 TCP HTTP(HTTPS自動リダイレクト) 必須
443 TCP HTTPS 必須
8000 TCP 初回セットアップ用(設定後は削除可) 初回のみ
6001 TCP Realtime機能 オプション
6002 TCP Web Terminal機能 オプション

メモ

ドメイン設定完了後は、カスタムドメイン経由でのみCoolifyにアクセスできます。IPアドレスとポート8000でのアクセスはできなくなります。

Step 5: ドメイン変更(オプション)

後からドメインを変更する場合は、専用スクリプトを使用します。下記コマンドの「your-domain.com」は自身の独自ドメインに置き換えてください。

# /root/coolify-change-domain.sh -d your-domain.com

このスクリプトは以下を実行します:

  • ホスト名の更新
  • hostsファイルの更新
  • Traefikプロキシ設定の再生成
  • Traefikコンテナの再起動

ドメイン変更後は、Coolifyダッシュボードの「Settings」→「General」→「Domain」も新しいドメインに更新してください。

Step 6: システム診断

Coolifyの動作状態を確認するには、診断スクリプトを実行します。

/root/coolify-diagnose.sh

このスクリプトは以下の情報を表示します:

  • Dockerのバージョンと状態
  • 実行中のCoolifyコンテナ一覧
  • ポート(80, 443, 8000, 6001, 6002)のリスニング状態
  • UFWファイアウォールの状態

管理スクリプト一覧

スクリプト名 機能 使用例
coolify-manage.sh Coolifyの起動・停止・再起動 /root/coolify-manage.sh start
/root/coolify-manage.sh stop
/root/coolify-manage.sh restart
coolify-change-domain.sh ドメイン変更 # /root/coolify-change-domain.sh -d new.example.com
coolify-diagnose.sh システム診断 /root/coolify-diagnose.sh

メモ

2回目以降の coolify-manage.sh start 実行時は、既存のDocker Composeスタックを起動するのみで、再インストールは行われません。

トラブルシューティング

Coolifyにアクセスできない場合

診断スクリプトでポートとコンテナの状態を確認してください。
実行コマンド:/root/coolify-diagnose.sh

Coolifyコンテナの状態確認

以下のディレクトリに移動してコンテナ状態を確認:
ディレクトリ: /data/coolify/source
確認コマンド: docker compose でコンテナ一覧を表示

Traefikプロキシの状態確認

プロキシディレクトリで状態を確認:
ディレクトリ: /data/coolify/proxy
確認方法: docker compose コマンドでステータスとログを表示

セットアップログの確認

ログファイルの確認:
ログパス: /var/log/coolify-setup.log
確認方法: tail コマンドで最新50行を表示

重要

docker-compose.prod.yml は上書き用の設定ファイルであり、単体では実行できません。必ず docker-compose.yml と組み合わせて使用してください。

アプリケーションの具体的な利用方法につきましては、サービス開発元やサービス提供元の公式サイト、Wikiなどで最新情報をご確認ください。

サイト名 URL 説明
Coolify公式サイト https://coolify.io プロダクト情報・料金プラン
Coolify公式ドキュメント https://coolify.io/docs 技術ドキュメント・インストールガイド
CoolifyのGitHubリポジトリ https://github.com/coollabsio/coolify ソースコード・イシュートラッカー
Coolify公式インストールスクリプト https://github.com/coollabsio/coolify/blob/v4.x/scripts/install.sh インストールスクリプトソースコード
Traefik公式ドキュメント https://doc.traefik.io/traefik/ Traefikリバースプロキシドキュメント