概要

ConoHaオブジェクトストレージは、2025年8月28日よりS3互換APIを直接サポートし、s3cmdを含む既存のS3ツールを使用してオブジェクトストレージを管理できるようになりました。

S3 APIとの互換性により、バックエンドを気にせず、既存のS3ツールやワークフローをそのまま利用できます。

s3cmdは、S3およびS3互換オブジェクトストアを管理するための人気のあるクロスプラットフォームコマンドラインツールです。ConoHaの新しいS3互換APIを利用することで、s3cmdを使用してConoHaのオブジェクトストレージを効率的に管理できます。

メモ

2025年8月28日より、ConoHaオブジェクトストレージはS3互換APIを直接サポートしました。従来のS3Proxyを使用した方法は不要になり、より簡単で高速なアクセスが可能になりました。

前提条件

s3cmdをConoHaのS3互換オブジェクトストレージで使用するには、以下が必要です。

項目 説明
s3cmd バージョン 2.0.0以上 バージョンは s3cmd --version で確認できます。パッケージマネージャーのバージョンが古い場合があるため、s3cmdダウンロードページから最新版を使用することをお勧めします。
EC2向けcredentials ConoHaの公開API「Credential作成」を通じてアクセスキーとシークレットキーを作成できます。

s3cmdのインストール

s3cmdのインストールについての詳細な手順は、s3cmdダウンロードページを参照してください。

Ubuntu/Debian

$ sudo apt update
$ sudo apt install s3cmd

CentOS/RHEL/Fedora

$ sudo yum install s3cmd
# または
$ sudo dnf install s3cmd

macOS

$ brew install s3cmd

Pythonパッケージマネージャー(pip)

$ pip install s3cmd

インストールの確認

$ s3cmd --version

設定ファイルの初期化

1. EC2向けcredentialsの取得

ConoHaの公開API「Credential作成」を使用してEC2向けのCredentialを作成し、アクセスキーとシークレットキーの値を取得します。
詳細な手順については、「Credential作成」を参照してください。

2. s3cmd設定の初期化

デフォルトでは、s3cmdは設定ファイル ~/.s3cfg をホームディレクトリに保存します。このファイルは、コマンド実行時に編集されたプレーンテキストのキー/値ペアファイルです。別の設定を指定するには、各コマンドに -c /path/to/config/file を追加します。

重要

ConoHaがメインまたは唯一のプロバイダーで、s3cmd を実行するたびに設定ファイルを指定したくない場合は、デフォルトの設定ファイル(~/.s3cfg)にConoHaの設定を保存できます。
$ s3cmd --configure

対話式設定で以下の値を入力してください:

Access Key: アクセスキー(クレデンシャルID)
Secret Key: シークレットキー
Default Region: conoha
S3 Endpoint: ConoHaのS3エンドポイント
DNS-style bucket+hostname:port template: ConoHaのS3エンドポイント
Encryption password: (空白のままEnterを押す)
Path to GPG program: (空白のままEnterを押す)
Use HTTPS protocol: True
HTTP Proxy server name: (空白のままEnterを押す)

手動設定ファイルの作成

設定ファイルを手動で作成することもできます。~/.s3cfg ファイルを作成し、以下の内容を記述してください。

[default]
access_key = アクセスキー(クレデンシャルID)
secret_key = シークレットキー
host_base = ConoHaのS3エンドポイント
host_bucket = ConoHaのS3エンドポイント
bucket_location = conoha
use_https = True
signature_v2 = False

メモ

S3エンドポイントの確認方法は、API情報を確認する にてご確認ください。エンドポイント情報は2025年8月28日より公開しました。

基本的な使用方法

s3cmdを設定したら、ConoHaのオブジェクトストレージでバケットとファイルの管理を開始できます。

別の設定ファイルを使用している場合は、各コマンドの最後に明示的に指定する必要があります。

$ s3cmd ls -c /path/to/config/file

接続テスト

設定が正しく行われているかテストするには、バケット一覧を表示してみてください。

$ s3cmd ls

正常に設定されている場合、ConoHaオブジェクトストレージ内のバケット一覧が表示されます。

注意

エラーが発生する場合は、credentials情報とエンドポイント設定を確認してください。